最近ゲームネタも書き始めたことだし、どんどんこのブログもごった煮感を出していこう!ということで、読んだ本の紹介もやってみますか。
今回はこれ。

知ってる人は知っている、映画ブレードランナーの原作。
前から興味はあったけど、読んで無かったんだよね。で、本屋で手に取ったときに表紙があまりにもカッコよくてジャケ買いw
内容は知ってはいたけど映画版とは全然違うのね。
登場人物やら設定なんかはある程度同じ。映画版もかなり独特な世界感だったけど、基本はエンターテイメント。小説版はのっけからかなり読者を突き放してくる。
戦争で荒廃し、生命が殆ど死滅した世界。科学の進歩は人間にそっくりなアンドロイドを生み出している。
が、アンドロイドはあくまで人間の使う道具。反抗したアンドロイは危険な欠陥品として人間のハンターに狩られる存在に。
このアンドロイドと人間を見分けるポイントが感情移入ができるかどうか。生命が殆ど死に絶えた世界では動物を飼うことがステータスになっており、動物も本物と作り物があり主人公は高額な本物のペットを飼うことができず、機械の羊を飼っている。
動物を愛でることができることが、人間がアンドロイドよりも優れている証拠…って感じですな。
で、主人公はある事件をきっかけに、アンドロイドに感情移入をしてしまうことによって自分の職業に疑問を抱いていく…アンドロイドと人間に果たしてどれほどの違いがあるのか?
まあ結構重いし、哲学的な内容ですね。
「人間とは何か?」「生き物と機械の境界線とは?」みたいなテーマは押井守なんかがとりあげそうなテーマだね。ディックはこういう今あるSFのパターンが作られた時代の作家だから、こういうSFの元祖みたいな人。
個人的にはとても楽しく読めました。が、やっぱりSFはその世界のオリジナルな設定とかを把握するのに少し時間が掛かるんだよね。
自分もリズムに乗るまでちょっと時間掛かりました。
SF読みなれてる人なら間違いなく満足できるはず。
以前読んだスキャナーダークリーとかもそうだったけど、この人の作品は唯一無二なアクがあるし読後感もかなり重厚。読んで損はないと思います。
しかしこの頃のSFはインパクトあるタイトルが多いね。このタイトルも異常に耳に残るからか、
これだけパクられてます。
『世界の中心で愛を叫んだけもの』ってハーラン・エリスンの作品もエヴァにパクられて、それがさらにエリスンなんか読んだ事もないような低脳映画にパクられてましたが…(ちなみにエリスンのセカチューはキャッチーさの欠片もない、かなりハーコーなSF短編小説です。)
ディックには他にも「流れよわが涙、と警官は言った」というタイトルだけどご飯三杯いけそうな本もあるし…今後未読の作品を読むのが楽しみですわ。
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